視線のビブリオテカ

海へ

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迷子になって見つけた太平洋は心を荒ませた。

北海道の東、道東の海沿いは昏い夏と明るい冬を併せ持つ日本では特異な地域である。
雪は極端に少なく、冬もスニーカーで歩くことができる。
新品のスタッドレスタイヤで惜しみなくドライな路面を走り続けているとエミリー・ブロンテの「嵐が丘」を想起する風景に出会った。
「嵐が丘」の風景に海はないのだが。

かつて波によって浸食された地形はなだらか丘に突然窪地を生み出して単調な景色にリズムを生み出す、長靴のリズムを。

生まれた町、育った街は離れて時間が立ち過ぎて、知らない街となった。
知らない道、知らない建物を過ぎ去って変わらない地形と出会って郷愁という残酷な思いに心が至った。

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by koh-saka | 2017-07-11 20:33