視線のビブリオテカ

謎の夜

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恐らく冬であろう、宇都宮であったか、新宿であったか、札幌であったか、はたまた帯広の可能性も捨てがたい。
夜であれば歩いて写真が撮れる程度の軽い酩酊の最中であろう。
構えているカメラは一眼にしては小さく見えることから、スマホかコンデジであろうか。
そこはロビーなのか個室なのか、ロビーであれば後ろに写る女性と思しき影は偶然だろうが、個室であれば誰なのであろうか。
日付を確認すればよいことなのだが、画像を見ながら思い出すというよりは、画像を読み解いていく楽しさに耽っている。

モノクロにHDRのぎらつき、HDRは悪趣味な癖になる。
風景の本質を逆なでするのだが、私には現実が実はかように見えていることを表現するためは必要な加工なのである。
写真なんてものは嘘しかつかない。

体内の嫌なものがガラスに映りこむ、変態的思想も、悪魔的詩情も、快楽的哲学もガラスは正確に受け止めて反映する。
そして非情にも足元を消し去って現実を提示するのだ。
信じているから足元を掬われるのだ。

足元のない自分の影を見ていると、無性に逃避したくなる。

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by koh-saka | 2017-07-11 17:20