視線のビブリオテカ

音 インスタレーション

東京都庭園美術館『クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス・ささやきの森』

チリのアタカマ砂漠、香川県の豊島で製作された、無数の風鈴のようなものが音を奏でる、いつか朽ちていくであろうインスタレーションのビデオ作品という知識のみで美術館に入り違和感を覚えた。
男女が囁き合う声が絶えず聞こえてくるのである。
意味ありげなのだが耳を澄ませても何を話しているのかが聞き取れない、館内を歩くうちにそれがスピーカーから流されていることに気づいたのだが、聞き取れない会話にもどかしさを覚えながら、別館に移動してその会話が途絶えた場においても、頭の中では通奏低音のようにその会話が流れ続けた。

五つほどのブースに作品が展示されているのだが、赤い光の明滅と心臓音であったり、「アニミタス・ささやきの森」の風鈴のような音であったり印象的な音が先ほどの会話と濁ることなく混じり合う。
見終えてパンフレットを見て、会話が「さざめく亡霊たち」という作品と知った。
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東京都現代美術館 常設展示

音のインスタレーションで想起するのは、東京都現代美術館に常設展示された、大友良英氏、青山泰知氏、伊藤隆之氏の「without records-mot ver.2015」である。
無数のスピーカー付ターンテーブルがレコードではなくプラスチックや鉄などでレコード針を弾かせて音を発するのだが、各ターンテーブルはコンピュータで制御され心地よいノイズを静かに響かせていた。
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ワタリウム美術館「ナムジュン・パイク展 2010年笑っているのは誰 ?+?=??」

ビデオインスタレーションであるから館内は音に溢れている。
複数のブラウン管テレビにはヨーゼフ・ボイス、ジョン・ケージ、ジョージ・マチューナス他当時のアーティストのパフォーマンス、インタビュー、或いは当時の風景などがビデオの劣化のまま映し出され、ビデオ万華鏡の様相である。
1980年代パイクの作品はテレビで放映されたり、実験映像展で見たり、当人にお会いしたり重層的に触れることが多かっただけに、懐かしさや気恥ずかしさを覚えつつの鑑賞であった。
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by koh-saka | 2017-01-28 12:08