視線のビブリオテカ

原美術館『快楽の館』

当初、篠山紀信氏の写真展を見に行く程度の気持ちで向かったのだが、美術館に入り思いは一変した。
美術館内で撮影されたヌード写真が等身大よりも大きく引き伸ばされ、額装もなく撮影した場所に貼られている。
最初に目に入る写真には意図して受け付けカウンターも、受付担当の方も映り込み、現実と写真の入れ子細工に観覧者は引き込まれることになる。
これは写真展ではなく、美術館全体を使ったインスタレーションであることに気付く。

ヌード写真に淫靡さはない。
明るさも、健全さも、荒んだ気配もない、全ての気配が周到に除去されて、アンドロイドのような女性のヌード写真群である。
その中に一枚だけ男性ヌードがある、余りに生々しく思わず目をそらした。

昭和13年に竣工されたという、かつて私邸であった原美術館はその佇まいが魅力的で、広さもまた適度であり、「快楽の館」と銘打たれた本展の館の意味合いが深く印象付けられた。

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by koh-saka | 2017-01-26 19:36